街の灯 City Lights 1931 America
個人的評価:★★★★☆
放浪者のチャーリーはある日、盲目の花売りの娘に恋をした。
チャーリーは娘の為に働き、工面したお金で娘に目の手術を受るよう勧める。目が見えるようになった娘は街で花屋を営んでいた。そこへ偶然にも、みすぼらしい姿のチャーリーが現れる。
娘はチャーリーとは気が付かずに声をかけるが・・・
誰もが知っているチャップリンですが、実は作品を見たのは今回が初めて。さらに初めての無声(サイレント)映画。
まず思ったのは見て良かったーーー!
サイレントは初めて見るから、退屈かも・・・
なんて思ったけど、そんな事はなかった!
盲目の娘と、自殺願望のあるアル中の富豪との間をチャーリーが行ったり来たりしてお話は進んでいきます。
出会いのシーンで盲目の娘がチャーリーをお金持ちの紳士だと勘違いしたところから悲劇を予感するのに、そのほかの小さな勘違い(石鹸をチーズと間違えたり)はクスクスと笑いを誘います。
そして何と言ってもラストシーン。
花屋のガラス越しにボロボロな姿のチャーリーと見つめ合う娘。
娘は一輪の花とコインをチャーリーに恵もうとします。
まさか今度は逆に娘からコインを恵まれるだなんて・・・。
去ろうとするチャーリーを追いかけ、娘はコインを握らせようとします。そしてチャーリーの手に触れた娘は気が付き尋ねるのです。
『You?』
頷くチャーリー。
『You can see now?』
『Yes, I can see now.』
そしてチャーリーの笑顔でTHE END。
ああ、娘はチャーリーに気づいてくれたんだ。見終わった瞬間はハッピーエンド。でも間もなくして『本当にハッピーエンド??』と思ってしまった。
もしかしたら目が見える前の方がお互いに幸せだったのでは・・・と思ってしまったから。
現実とは違い、金持ちの紳士と偽ることができたチャーリーと、素敵な理想の紳士を夢見ていた盲目の娘。
最後のチャーリーの笑顔がとても印象的でした。困ったような、はにかんでおどけたような笑顔。あの笑顔はどういう意味だったんだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿